①葬儀:仏教における葬式は元々、曹洞宗で行っていたものである。修行中の僧侶が悟りへの道 半ばで亡くなった場合、その無念を慰めるために回向する行事であった。それが他宗にも広が っていった。江戸時代以降に村というコミュニティが確立し、村という共同体の一員の葬儀を 組織的に行う際に、寺がその儀式を執り行うようになった口3]。最近は、葬儀は少人数で行う ことが主流になりつつある。檀家から外れて墓を使わなくなる場合、または代々の仏式葬儀を 行わない場合、離檀料を請求されることがある。従来のような盛大な葬儀は、費用もかかる。
最近は家族葬など近親者のみで行うのが一般的となりつつある。葬儀は自分で行うことができ ないので、任せられる関係を築いておくことが大切と言う人もいる。また終活は不要と言う意 見もある口司。その論旨は、死後のことはどうにもならないからということである。
②生前葬:没後の葬儀を準備しておくだけでなく、存命中に知人らとのお別れを済ませておく 「生前葬」を選ぶ人もいる。葬儀会社のほか、旅行会社などが手配を引き受けるようになって いる。
③埋葬:遺骨をどのように処理するか。中世までは石塔非建立型の墓地であったが、近世の檀家 制度と葬式仏教により、石塔建立型墓地に変わっていった[戚。従来、遺骨は家の墓地に埋葬 するのが常であった。子孫が墓地を守る負担軽減や供養してくれる子孫がいないため、墓の継 承者がいなくなって墓地が放置され荒れるという問題が改めて注目されている。